堀川紀夫 Michio Horikawa

ブログの書き方に統一感がないですが、「サイトと野性」展に関連する作品例の調査と出品作家とその作品の紹介を目的にしています。
今回はこのブログの主宰者で「サイトと野性」展の企画者である堀川紀夫自身の第2回大地の芸術祭出品作品「Sky Catcher 09 」を紹介します。
応募書類より。
作品についての考え
 2005年の8月に自宅スタジオ&ギャラリーを開設するにあたり50平方メートルくらいある庭に野外作品を設置しようと考えた。庭は周りが住宅に囲まれており、視線は自ずと頭上に広がる空に向いて行った。そこで、川西や金沢のタレルの作品にちなんだ「レンタル・タレル」という作品の構想がまとまった。その構想は構想で終わったが、そこから空を見上げる視線を逆立させ、鏡を使って空を写し、見下げて楽しむ作品を思いついた。
 最初は、鏡面が60cm×90cmの作品をつくり、庭に設置した。この作品が、近所のお年寄りにも共感、支持を得たことに意味の広がりが感じた。その次に第3回弥彦野外アート展で鏡面が90cm×90cmの作品を発表した。(写真1)

ここでも沢山の共感、支持を得る作品となった。2006年には富山の神通峡美術展に鏡面が100cm×100cmのものを4点組で並べる作品で出品。第4回弥彦野外アート展には、円形の鏡による同質の作品を出品。次の写真は、その作品のコンセプトフォト。

 空は人間が肉眼で見ることのできる身の周りの自然の中で最大のものです。しかし、あまりにも大きすぎるためにその大きさをじっくりと実感する機会は少ない。
 この作品では空の一部を鏡で切り取ることで、空がより一層高く(深く)、美しく見えてきます。鏡面の空の像を見た後に、実在の空を見上げ、そしてそれを繰り返す。そのような交互する視線により空が一層大きく感じられるように感覚が作用していきます。
 この作品は「空・そら」を捉えようとする作品です。空という大世界を鏡という小世界で捉える作品です。
 空は気象そのものの顔です.大地の恵み、即ち人間の生活も空の顔色で一喜一憂しています。刻々と変化を続ける気象の中で空の一部を鏡に写して見ていると、見飽きることがないです。
 大地の芸術祭の会期中は晴天が多い。その青空に白い夏雲が映って、そこに鳥や蝶、トンボなどが横切ってくれたら最高であると考えている。
 また、「空」を「空即是色」の「くう」ということで考えたり円形の鏡が「三種の神器」の一つということを考えていくと、この作品の持つ意味の広がりや奥行きが更にでてくる。
現在、松之山の温泉から10kmくらい上がった大厳寺キャンプ場に設置され、公開されています。